第16回 親子でのスマートフォン使用

今月のテーマは、<親子でのスマートフォン使用>についてです。

1. ネットゲーム依存に関する報道

1月4日(木曜日)の朝日新聞の1面に「ネットゲーム依存は『病気』」という記事が出ました。同時にNHKや各放送局でも関連のニュースが報道されましたので、小さなお子さんをお持ちの親御さんにとってもショッキングで、関心を持たれた方は多いと思います。このメルマガでも、2017年9月号(12号)で「メディアと子どもの発達」について取り上げたところでした。

新聞では、インターネットゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状について、世界保健機関(WHO)が2018年、病気の世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に初めて盛り込む方針であることがわかった、と報道されました。

2. 国内での親子スマートフォン使用の実態

一方、ベネッセホールディングス(株)が昨年に実施した「第2回 乳幼児の親子のメディア活用調査」では、国内における子育てにおけるスマートフォン利用は拡大し、乳幼児の接触頻度は増加するも「1日15分未満」が7割であったことが明らかにされました。また、スマートフォンはこれまで以上に親子の時間をつなぐ身近なツールとなり、家事の最中など場面によってはこれまでTVやビデオ視聴に使われていた時間がスマートフォンの利用時間に代わる傾向もみられたとのことでした。しかし、母親は子どもの過度なメディア利用については懸念を示しており、一定の配慮や工夫をしながら使わせていることも分かりました。

この結果について調査担当者の専門家は、3Dなど新しいメディアから新たに得られる魅力や家族での楽しみは多いが、間接的に情報を得るだけでなく実体験も当然ながら大切になることを指摘しています。また、乳幼児の発達において、動画や絵本等の間接情報と豊かな実体験が脳でつながることで、知識が身体に刻み込まれ、智恵とつながる知性が身につくことも説明しています。

3. 親子でスマートフォンをどのように使うのがよいか

今年6月に公表が予定されている、この「ゲーム症・障害」については、特に幼少期は進行が早いことがわかっており、短い期間でも依存症とみなす方針のようです。

残念ながら、上記調査で約6%の親がスマートフォンで「ゲームをさせる」に回答していました。しかし、幼少期からネットゲームに触れさせることのリスクは、今回の報道で明らかになったと思われます。一方、多くの親が使用のメリットとして、「歌や踊りが楽しめる」「知識が豊かになる」などを挙げていました。また、「親の名義で購入し、子どもに貸す形に」「ルールは親子で一緒に決める」「使う場所と時間帯を決める」などの工夫が必要であることも発表されています。

実際に依存の症状を表すのは10~20代だとのことですが、幼少期からの習慣が重要であるように思われます。

世界が本腰を入れ始めたネットへの依存について、子どもだけでなく家族もルールを守って使用し、スマートフォンとの適切な付き合い方についても考え始めたいものです。

4. 吃音のまめ知識

吃っている人の話をいつも聴いていたり、話し方を真似したりすると、その人も吃音になるでしょうか。幼い子どもでも、そのような勘違いをしてしまうようです。

アメリカの自助団体が発行している会報に、ある6歳児の手紙が掲載されました。

「ぼくには3歳の弟がいます。僕は4歳のときから吃音で、弟は同じように吃音をおぼえてしまいました。弟はぼくの吃った話し方を見たり聴いたりしていたからです。(略)」

編集者の返事は「弟さんはあなたから吃音を学んだわけではありませんよ。吃音は伝染したり、真似して覚えたりするものではないのです。あなたや弟さんは、吃音に関係する遺伝子をもっているのかもしれません。全員ではないですが、吃音は遺伝することがあります。(略)」というものでした。

同団体が発行する「吃音の誤解」についてのパンフレットにも、最近の研究では家族歴や神経学的な発達等、様々なことが吃音発症に関わることが分かっており、人の真似をして伝染する類いのものではないことが説明されています。

5. 参考図書など